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投資哲学
- 05 Nov, 2025
8年前の僕へ。君が今、布団の中でポチろうとしてる「T」について。
拝啓、8年前の僕。 元気か? いや、元気じゃないな。仕事にちょい疲れて、でも「金持ち父さん」的なものに憧れて、夜な夜な布団にくるまってスマホいじってるだろ。 今、肌寒い秋の夜、君は薄暗い部屋で、証券アプリの画面を凝視してる。 目の前には「AT&T(T)」の文字。 そして、目を見張るような「利回り●%」の数字。「うわ、めっちゃ高いじゃん」 「米国の通信インフラだろ? 潰れるわけないし、最強じゃん」 「寝ててもチャリンチャリン、キター!」そう思って、人差し指に力を込めてる。 わかるよ、その高揚感。アドレナリンがドバドバ出てるだろ。ポチるな、とは言わん。 どうせ言っても、君はポチる。知ってる。 だがな、未来から来た僕が、これだけは言っておく。 君が今買おうとしてるのは、「安定の高配当株」じゃない。 **「君のメンタルを8年間ボコボコにし続ける、鬼教官」**だ。 信じられないだろ? 君、そいつを買った瞬間から、地獄…いや、素晴らしい(?)試練が始まる。 まず、君が買った次の日から、そいつは下がる。 「押し目だ」と思ってナンピンしたら、もっと下がる。 君が「安定」だと思ってた通信株が、なぜかITバブル崩壊後のベンチャー株みたいな動きをしだす。 毎晩、寝る前に真っ赤な画面を見るのが日課になる。 隣でGAFAMとかがロケットみたいにぶち上がっていくのを横目に、「なんで僕は…」って、本気で枕を濡らすことになるぞ。 で、極め付けだ。 数年後、君が含み損に耐えに耐え、もはや「配当金だけが心の支え」になった頃。 減配だ。 休日の朝、淹れたてのコーヒーを飲んでる瞬間に、そのニュースは飛び込んでくる。 マジで噴き出すから、スマホから顔を離しておけ。「メディア事業をスピンオフするから、実質減配ね」理屈はわかる。わかるが、そういうことじゃねえんだよ。 「高配当」っていう最後の砦を、自ら爆破しに来るんだ。 あ、ちなみに。 そのスピンオフで、WBD(ワーナー・ブラザース)とかいう謎の株が勝手にポートフォリオにねじ込まれる。 そいつも、AT&T先生がよこした新たな刺客だ。期待しとけ。(白目)なんで、こんな手紙を書いてるか 「じゃあ、やっぱり買うなよ!」って言いたいだろ? それがな、不思議なもんで。 8年後の僕は、まだそいつを握りしめてる。 あれだけ裏切られ、あれだけ資産を削られ、あれだけイライラさせられたのに、だ。 なぜか? もちろん、減配してもまだマシな利回りだから、ってのもある。 でも、一番の理由は、**「諦め」と「慣れ」、そして「感謝」**だ。 意味わかんないだろ? そいつはな、君の「投資家としての甘い幻想」を、全部ぶち壊してくれたんだ。「高配当=安心」じゃないこと。 「大企業=安定」じゃないこと。 株価が下がると、人間がいかに冷静じゃいられなくなるか。全部、こいつが含み損という名の授業料で、徹底的に叩き込んでくれた。 だから、君が今ポチろうとしてるそいつは、君の師匠になる株だ。 おかげで8年後の僕は、ちょっとやそっとの下げじゃ動じない、変な耐性だけがついた。 だから、まあ、買え。 そして、せいぜい苦しめ。 その真っ赤な含み損は、君が「投資家」として成長するための、何よりの教科書になる。 8年後の僕より。
- 02 Nov, 2025
📘 Apple・NVIDIA・Microsoftへ10年以上保有してわかったこと
投資は“好き”から始めても成功する はじめに:AIバブルじゃない、感情が先でいい 最近、「AI銘柄で儲けた人」の話をよく聞く。 確かにNVIDIAは爆上がり、MicrosoftはOpenAIとの連携で一気に話題になった。 でも、僕がそれらを買ったのはずっと前。 AppleはiPhone3を手にしたとき。 NVIDIAは自作パソコンのパーツを調べていたとき。 MicrosoftはAIの未来を直感で感じたとき。 つまり、「儲かりそう」じゃなくて、「これはスゴイ」が先にあった。 その感情が、結果的に10年以上続く長期投資につながっている。 今日は、そんな3社に投資するまでの物語と、そこで気づいた長期投資の本質を話したい。Apple──“ユーザーから株主へ”の転換点 2008年。 初めてiPhone3を手にした瞬間を、いまでも覚えている。 それまで使っていたガラケーでは想像できない操作感。 指で触れるだけで画面が動く。 世界がポケットの中に入ったような感覚だった。 当時のApple株は1株10ドル台。 「これ、たぶん上がるだろうな」と思い、ほんの数万円だけ買った。 結果は──いまや株価は40倍以上。 配当も含めれば、トータルリターンは**+400%を軽く超える**。 ただ正直に言うと、当時はお金がなかった。 本当はもっと買いたかったけど、買えなかった。 でも、あのときの“少額でもいいから買ってみた”という一歩が、 僕の投資人生を動かしたのは間違いない。NVIDIA──趣味が資産になった瞬間 2015年。 パソコンを買い替えるために、BTOパソコンをいじっていた。 「グラフィックボードはNVIDIAがいい」と、ネットの口コミで見た。 当時、GPUという言葉を理解していた人はほとんどいなかったと思う。 でも、僕の中では「画像処理はこれからもっと重要になる」と感じた。 それだけの理由で、株を30ドル台で買った。 そこから10年。 NVIDIAはAI革命の“主役”になった。 2024年には株価1000ドルを突破(分割後でも約30倍)。 数字だけ見れば夢のようだ。 でも、保有中は何度も心が揺れた。 GPUの在庫過多で暴落したこともあるし、「もう終わった」と言われた時期もあった。 それでも手放さなかったのは、NVIDIAが好きだったから。 “趣味で知った会社”が、いつのまにか“資産を支える会社”になっていた。Microsoft──AI革命の扉を開いた企業 マイクロソフトに投資したのは、2023年。 ニュースで「MicrosoftがOpenAIに巨額出資」という記事を見た瞬間、 僕の中で“お堅い企業”というイメージが一瞬で変わった。 WordやExcelで終わる会社じゃない。 次はCopilotやAzure AIで世界を変えようとしている。 ChatGPTの裏側にいるのがMicrosoftだと知ったとき、 「ここは第二の変革期に入った」と確信した。 当時の株価は300ドル台。 いまは400ドルを超え、じわじわと成長中。 でも、数字以上に感動したのは、 あの巨大企業が再びリスクを取る姿勢を見せたことだ。 変化を恐れない姿勢は、いつの時代も投資家を惹きつける。3社に共通する「成長の法則」 Apple、NVIDIA、Microsoft。 10年以上保有してわかったのは、成長企業には共通の法則があることだ。 1. ユーザー体験に徹底的にこだわるAppleは「感情」。 NVIDIAは「性能」。 Microsoftは「実用性」。どれも“使う人の体験”を中心にしている。 どんなに時代が変わっても、「人がワクワクする瞬間」を大事にしている会社は強い。 逆に、数字や流行だけを追う会社は、一時的に上がっても長くは続かない。 2. 時代が変わる前に動くAppleはスマホ時代の前にiPhoneを出した。 NVIDIAはAIブームの前にGPUを磨いていた。 Microsoftは生成AI前夜にOpenAIへ投資した。「流行が来てから動く」のではなく、「来る前に動く」。 そのスピード感が、結果として10年単位の成長を生み出す。 投資家にできるのは、「時代が変わる気配を感じた瞬間、少しだけ動くこと」。 それで十分だと思う。 3. “好き”で応援できる企業であること 結局、長期保有の最大の武器は「信頼」と「愛着」。 株価が下がっても、「この会社なら立ち直る」と信じられるかどうか。 それが、10年持ち続けられるかの分かれ目になる。 Appleの新製品を楽しみに待つ。 NVIDIAの技術発表をわくわくして見る。 MicrosoftのAI進化を実生活で体感する。 そんな“日常に溶け込んだ投資”こそ、長期投資の理想形だ。まとめ:投資は「数字」より「関係性」 投資のスタートは“好き”でもいい。 むしろ、そのほうが続く。 Apple、NVIDIA、Microsoft。 この3社は、僕に「時間をかける価値」を教えてくれた。 10年前、iPhoneを買ったときには想像もしなかった。 でもいま、あのときの“好き”が僕の資産を作ってくれている。🔍 この記事のまとめ「好き」で選んでも、成長企業なら結果はついてくる 成功企業は“ユーザー体験”と“時代の先読み”に徹している 長期投資の本質は、「信頼できる企業と一緒に歩むこと」 数字だけじゃなく、「関係性」で投資を続けることが大切株価のチャートを眺めるたびに思う。 「投資は人を成長させる」という言葉は、 Apple・NVIDIA・Microsoftと歩んできたこの10年が、 そのまま証明してくれている気がする。🕊 最後に “好き”で買った株が、人生を変えることもある。 だからこそ、「数字」よりも「心が動く瞬間」を大切にしてほしい。 その小さなときめきが、 10年後のあなたの資産を作ってくれるかもしれない。